今直ぐチェック!精密機械運搬起こりやすいトラブル6


主に製造や医療機器、福祉や食品製造、加工に携わる機器を扱う企業の皆様にとって、精密機械を切っても切り離せないものだと思います。又、そえらの精密機械を製造するメーカーにメーカーの方も同様でしょう。精密機械は、拠点が移転するときはもちろん、製造したものを納品する際にも運搬は切っても切り離せないものだからです。

 

la201301310000

生産工場で扱う、半導体製造などに代表される大型機械、病院などで使われる医療機器、検査や福祉の機器類などはに例えられる精密機械は非常に繊細で効果なものです。破損・故障が発生すると人命にもかかわる問題となってしまう事も考えられるため、そのようなトラブルが発生しないように充分な計画と準備が必要です。

もちろん、計画には予測できない事態が発生することもありますし、不測のトラブルなども発生します。特に、はじめて精密機器輸送に関わる方となれば、「何から手をつけたらよいかわからない」というのが正直な感想ではないでしょうか?

 

8164754451_bf3f3717e8_b

少し表現が飛躍してしまうかもしれませんが、長い歴史の中の「失敗に学ぶ」ことは人類の歴史上で見ても非常に有効です。実際私達の会社でも、些細なミスやトラブルでも、必ず全体で情報共有をして、「なぜ起こってしまったのか」「これから怒らないためにはどのようにすべきか」を丁寧に細かく話し合います。それが事故を未然に防ぐ、安全な運搬につながるのです。

今回はその「歴史」に学ぶというか、精密機械の運搬において起こりやすいトラブルについてまとめてみたいと思います。まず想定されるトラブルは大きく分けて以下の通りです。

 

 

失敗例1:納期遅れ

まず起こりがちななものが「納期遅れ」です。
実際の作業に時間がかかってしまったというのは、事前の確認が不十分な為によく起こりがちです。特に以下の様なことが原因と考えられます。

  • 業者見積りもオンラインのみで事前の打ち合わせが不足
  • 搬入経路の下見が不十分
  • 作業量と時間の設定をじっくり業者とも話し合わなかった

 

失敗例2:採寸ミス

搬入において、当然のことですが搬入するものより搬入口が狭ければ、想定外に搬入に時間を要するということがあります。その為に、充分な事前の打ち合わせを運搬業者と行ったり、搬入する精密機械などの採寸を行ったりするのです。もちろん、その際は機械全体の寸法だけではなく梱包材を含めた寸法も含めなければいけません。業者が精密機器輸送専門ではなく、大型の機器類の輸送に手間取ったケースです。
事前の下見はしたが、梱包材類に関して考慮していない
搬入先に高さ制限があるのを見落としていた
結果的に別のルートから搬入する必要が出ることで、想定以上に搬入作業に時間が発生してしまったり、搬入先のクライアント様からクレームが出てしまったりと言うトラブルに発生してしまうことが多くなります。
事前に依頼する運搬業者に対して、今回運搬する機器類に関する実績があるのかどうかなども事前に確認することが大切です。

 

 

失敗例3:倉庫手配ミス

精密機械の運搬において、搬出と搬入の日付が離れることはよくあることです。特に大型の製造機械や医療機器などを扱う場合は一時待機させる空間の確保などは必須課題となります。
その際に、精密機器を運搬する業者とは別に、倉庫の手配を依頼するなど原因で、連携不足により倉庫手配が間に合わない、手配できないなどのトラブルが発生します。その場合、最終的に輸送の日程をずらす必要なども出てきて、全体的なスケジュールに支障をきたすなどの大きなトラブルに発展する場合があります。

 

 

失敗例4:想定外の出費がかかる

事前に受けた見積の中に、産業廃棄物などの不要品処分は「別途請求」という曖昧な表現を見たことはないでしょうか。
忙しい準備の中で、どうしても見過ごしがちですが、曖昧な表現をそのままにしていくことは非常に危険です。
事前に見積書で確認したにもかかわらず、それ以外にも費用がかかってしまうという事態になることも考えられるからです。人間というのは、自分で都合の良い解釈をしてしまいがちですが、先の例にもあるように、考えていたよりも多くの費用になってしまうということは非常に起こりがちですので注意をしましょう。項目ごとの金額が妥当かどうかは確認することはもちろん、曖昧な表現に関しては必ず事前に全てチェックをして確認をとりましょう。

 

 

失敗例5:搬出元の設備を破損

多くは養生箇所の確認不足が大きな原因となります。精密機械の搬出や運搬にはプロフェッショナルな経験と知識が求められます。養生や機器の運送に関しての注意が行き届いているかについては、依頼する運搬業者の経験に左右されることも少なくありません。そのためにも、運搬業者の選定も含めて事前の下見や打ち合わせで気になる点はしっかりとヒアリングするようにしましょう。その上で、立会作業の際にはしっかり行なって進めることが重要なのです。

 

 

失敗例6:精密機械の破損

本来最も発生してはいけないトラブルです。そのようなことを発生させないためにも、当日の現場立会での入念なチェックはもちろん、事前の下見や運搬業者から提出される【工程表】などが重要になります。具体的には以下の様なものです。
【作業計画書】
業者により内容に違いはありますが、 作業計画書は「輸送の概要や手順、使用重機」などの記載があるものです。
「何を」「どこに」「いつ」という第一条件をもとに、 輸送する機器の種類・数、搬出入元の位置、工事の日時といった 基本情報が記載されています。
【移設工程表】
オフィスや工場などの移転作業は大量の機器類を運ぶ作業となります。それらの工程を計画、管理するものが「移設工程表」です。
機器の数や種類はもちろんのこと、 機器類の工事に関する区分まで記載があると、荷主としては非常にわかりやすく安心できます。。
「機器の停止、ラベル貼り、設置後の電源工事」など、担当を明確にすることで、 荷主、輸送業者、あるいはメーカーにおける責任の在り処をはっきりさせ、 事前のトラブル回避につなげることが出来ます。
【車輌配置図】
輸送時の「車両の停車位置、進入経路などの配置を記載」する書類になります。
輸送時に車輌をどこに停めるか、搬入口から設置箇所までのルートが図面にあるか、
搬入作業の工程表とともに写真つきの記載があれば、その書類は大変細かいといっていいでしょう。

2364689321_d933701e00_b

 

常に心がけるべきは「段取り八割」という言葉です。

物事を実行するのに、実行する行為自体はそれほど難しいものではない、それよりも、その実行に行く前の段階が大切である。その前の段階をクリヤーできたら、それは既に物事の八割を完成したことと等しい、という意味です。
現在はインターネットやメールなどが発達し、コミュニケーションも多様化しています。それでも重要な事や不明な点や不安な点はどんどん業者の担当者と打ち合わせを重ねていくようにしましょう。それが、依頼する運搬業者の姿勢やノウハウがどれほどあるのか、安心して任せられるのかを見極める手段にもなるからです。