トラックやトレーラドライバーの皆さんは、多くの荷物を積んで運転していますよね。
その運転時、気を付けていることはありますか?
安全運転はもちろん、トラックやトレーラに積んでいる荷物のことも考えて運転しましょう。
・荷締機(レバーブロック、プーラー、ヒッパラー等)は、フックの回転部分や鎖(チェーン)、ワイヤロープ等に錆が出ないようによごれを落とし、塗油しましょう。
・荷締めをするときレバーにパイプを差し込んだり、足で踏むのは危険なので、絶対にしないでください。
・鎖はねじれたままで使用してはいけません。
固縛した後の荷締機のレバー及び鎖に、振れ止めをしましょう。
当て物(クッション材)
ワイヤロープが滑ったり、角に当たって切断するのを防ぐため、また積荷が損傷したり接触したりするのを防ぐため、次の当て物等を使用するようにしましょう。
ヤワラ(麻袋、当てゴム、ゴム帯、毛布、布団、すのこ等)、当て金(パイプの半割)、当て板(薄板 )、キャンバー(矢板、くさび)
過大なハンドル操作を避ける
トラックの運転中、ハンドルを切る場合、そのときの走行速度、道路の状態、貨物の積載状態などの条件の変化により、ハンドルの切り方によっては、事故の原因となるので注意が必要です。
走行中に過大にハンドルを切ると、積荷は自動車が曲がろうとする方向とは反対の方向に飛び出そうとすします。
自動車の速度が速くなればなるほど、また、ハンドルの切り角が大きくなればなるほど積荷の飛び出そうとする力(=質量×加速度)は大きくなるのです。
車速によってハンドルの切り角に限界があるので、車速が速くなるほど切り角を少なくするなど、十分気をつけましょう。とくに車種を乗り換えた場合には注意が必要です。
空車、積車状態によって、過大にハンドルを切ったとき異常走行することがあるので、道路、積荷に応じた速度で走行しましょう。
荷の重心が荷台後方になればなるほど条件が悪くなるので慎重なハンドル操作を必要とします。
車線を変更するに当たっては、後続車や側方車、対向車などの状況をよく確認して過大なハンドルを切らないようにしてください。
とくに高速走行中は、過大にハンドルの切り返しをしないようにしましょう。
急ブレ−キをかけないようにする
積荷を積載し、急ブレーキをかけると、積荷はそのまま前の方に移動しようとします。
その結果、積付け・固縛が不良の場合は、荷崩れを起こし、運転席をつぶしたり、積荷を落下させたりすることがあります。
ハンドルを切りながら急ブレーキをかけた場合
・車種が小型になるほど不安定となる。
・同じハンドル切り角であっても、空車の方が回転半径は大きくなり易い。
・車線を変更する際は、後続車や側方車、対向車などの状況を十分に確認し、みだりに急ブレ−キをかけるような運転はしないようにする。
空車時、濡れた路面でハンドルを切りながら 急ブレーキをかける場合
・雨などの降り始めは、とくに摩擦抵抗が低下しスピンし易いので、急ブレーキをかけると危険である。
・車種が小型になるほどスピンし易い。標準積載の場合はスピンしにくいが、旋回しきれず回転半径が過大になることがある。
・とくに4トン以上のトラックは空車走行時に急ブレ−キをかけると後輪がロックし易く、路面との接触を断続的に失うため、それだけ制動距離が長くなる。
走行途中で固縛状態を必ず点検する
走行中、道路の状況、運転操作などにより積荷は常に移動するので固縛ロ−プや当て物等がゆるむことがあります。
このため荷崩れを起こしたり、落下事故を発生させたりするので、十分注意しましょう。
注意事項
・荷崩れしやすい積荷は、積載して出発後わずかな走行でロ−プがゆるむ場合があるので点検する。
・高速道路では2時間(以内)走行ごとに、安全な場所(サ−ビスエリア、パ−キングエリア等)に車を停めて、固縛状況をよく点検する。
・一般道路では4時間(以内)走行ごとに、安全な場所に停車して固縛状態を点検する。
荷崩れしやすい荷物はもちろん、そうでない荷物も、なんらかの衝撃を受けないように、安全運転で運搬するようにしましょう。
引用参考:安全輸送のための積付け・固縛方法