点呼にはさまざまな種類があります。
そしてその種類により、確認事項などが異なります。
点呼は、運転者や自動車が安全に運行できる状態かどうかを確認するとともに、安全運行のために必要な指示を与え、報告を聴取するため、次の内容を確実に実施しなければなりません。
乗務前点呼における確認・指示事項
運転者の健康状態、疲労の度合、酒気帯びの有無、異常な感情の高ぶり、睡眠不足等について確認し、安全な運転ができる状態か否かを判断しましょう。
日常点検の実施結果に基づき、整備管理者が自動車の運行の可否を決定したことを確認します。
服装を端正に着用しているかの確認をしましょう。
運転免許証、非常信号用具、業務上必要な帳票類等、携行品の確認をしましょう。
休憩時間・場所、積載物、気象、道路状況等、運行の安全を確保するための注意事項の指示をしましょう。
個々の運転者について、運転行動に現れやすい問題点についての注意をしましょう。
乗務後点呼における確認・指示事項
車両、積載物の異常の有無、乗務記録、運行記録計等の記録により運転者の運転状況等の確認をしましょう。
工事箇所等道路状況に関する最新情報及びヒヤリ・ハット経験の有無等安全情報の確認をしましょう。
酒気帯びの有無を確認しましょう。
運転者に翌日の勤務を確認させてください。
中間点呼
乗務前及び乗務後のいずれの点呼も対面で実施できない乗務を行う運転者に対し、運行管理者は、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも 1回電話等により、運転者と直接対話できる方法で酒気帯びの有無、疾病、疲労等の状況を確認するため点呼を実施しなければなりません。
乗務前点呼、乗務後点呼及び中間点呼における酒気帯びの有無は、目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて行わなければなりません。
アルコール検知器が1つも備えられていない場合、アルコール検知器備え義務違反となり、初違反「60日車」、再違反「120日車」となります。また、正常に作動しないアルコール検知器により酒気帯びの有無の確認を行った場合や、正常に作動しないアルコール検知器であることを理由に酒気帯びの有無の確認を怠った場合、アルコール検知器の常時有効保持義務違反となり、初違反「20日車」、再違反「40日車」となります。
乗務前点呼の記録の内容
乗務前点呼の記録内容は、次のとおりです。
1、点呼執行者名
・運転者名
・運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等
・点呼日時
・点呼方法(アルコール検知器の使用の有無、対面でない場合は具体的方法)
・酒気帯びの有無
・運転者の疾病、疲労等の状況
・日常点検の状況
・指示事項
・その他必要な事項
運行管理者は、乗務前の点呼において、以下の点に注意して過労運転の防止を図らなければなりません。
・酒気帯びの状態にある乗務員を車両に乗務させてはなりません。
・疾病、疲労、その他の理由により安全な運転をすることができない、またはその補助をすることができないおそれがあると判断した乗務員を車両に乗務させてはなりません。
・「その他の理由」とは、覚せい剤や禁止薬物等の薬物の服用、異常な感情の高ぶり、睡眠不足等を指します。
乗務後点呼の記録の内容
乗務後点呼の記録内容は、次のとおりです。
・点呼執行者名
・運転者名
・運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等
・点呼日時
・点呼方法(アルコール検知器の使用の有無、対面でない場合は具体的方法)
・自動車、道路及び運行の状況
・交替運転者に対する通告
・酒気帯びの有無
・その他必要な事項
尚、「交替する運転者に対する通告」とは、例えば、車両の乗り継ぎによって運転者が交替する場合、前任者が交替する運転者に対し、これまで運転していた車両や道路、運行の状況について知らせることをいいます。
中間点呼の実施及び記録の内容
乗務前、乗務後のいずれも対面で点呼ができない場合は、乗務の途中に少なくとも一回電話やその他の運転者と直接対話できる方法で点呼を行い、酒気帯びの有無、健康状態について報告を求め、及び確認を行い安全を確保するために必要な指示をしなければなりません。
また、中間点呼を必要とする運行については、運行指示書を作成して運転者に携行させなければなりません。
中間点呼の実施内容は、次のとおりです。
・点呼執行者名
・運転者名
・運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号等
・点呼日時
・点呼方法(アルコール検知器の使用の有無、対面でない場合は具体的方法)
・酒気帯びの有無
・運転者の疾病、疲労等の状況
・指示事項
・その他必要な事項
以上のように、点呼の際には、管理者がさまざまなことを確認していきます。
きちんと返答できるようにしておきましょう。
引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル