トラックやトレーラドライバーの皆さん、体調はいかがでしょうか。
適切な休憩や睡眠は、ドライバーの皆さんだけでなく全ての従業員にとっても大切なことのひとつです。
1、事業者は、乗務員が有効に利用できるよう、休憩施設及び睡眠・仮眠施設を整備しなければなりません。
2、事業者は、これらの施設を適切に管理するとともに、保守しなければなりません。
3、運行管理者は、業務として乗務員が休憩または睡眠・仮眠のために利用する施設を常に良好であるよう計画的に適切な管理を行わなければなりません。
事業者の使命
休憩、睡眠及び仮眠施設を整備しておくことは、過労乗務になりやすい傾向にある自動車運送事業にとって、適正な勤務時間、乗務時間を確保し、事故の防止を図るために重要なものです。
このため、事業者は、乗務員が休憩時間に休憩する場合や乗務員に睡眠・仮眠を与える必要がある場合に有効に利用できるよう必要な施設を整備し、管理、保守しなければなりません。
乗務員とは
乗務員とは、運転者及び運転の補助に従事する従業員のことを指します。
有効に利用することができる施設とは
休憩、睡眠・仮眠施設が設けられていても、次のいずれかに該当する施設は、「有効に利用することができる施設」には該当しません。
・乗務員が実際に休憩、睡眠または仮眠を必要とする場所に設けられていない施設
・寝具等必要な設備が整えられていない施設
・施設・寝具等が、不潔な状態にある施設
施設を適切に管理するとは
事業者が休憩、睡眠・仮眠施設の状態を常に良好であるように計画的に運行管理者に管理させることをいいます。
保守するとは
保守とは、事業者が休憩、睡眠・仮眠施設を良好に修復することをいいます。
運行管理者には、休憩施設または睡眠・仮眠施設の状態が常に良好であるように計画的に管理する義務があります。
勤務時間と乗務時間の設定
1、事業者は、休憩または睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息の時間が十分に確保できるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定めなければなりません。
2、運行管理者は、事業者が定めた勤務時間・乗務時間の範囲内で乗務割を作成し、これに従って、運転者を事業用自動車に乗務させなければなりません。
運転者の勤務時間及び乗務時間の設定
事業者は、勤務時間、拘束時間、休憩時間、時間外勤務、公休、休日出勤、有給休暇等の事項を明確にし、勤務体制を確立しなければなりません。
勤務時間及び乗務時間の基準
事業者が、勤務時間及び乗務時間を定める基準は、「貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準(平成 13 年国土交通省告示第 1365 号)」、基発第92号(平成元年3月1日)「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」、基発第93号(平成元年3月1日)「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」が適用されます。
運行期間
運転者が、所属営業所に出勤(出発)してから所属営業所を退社(帰着)するまでの運行を「一の運行」といい、その運行に要する時間は、144 時間(6 日間)を超えてはいけません。
これは、運転者が所属営業所を長期間離れて運行する場合の疲労の蓄積を防止する観点から、運行全体の時間を制限したものです。
運行途中フェリーに乗船する場合の運行期間
運行途中でフェリーに乗船する場合における運行期間は、フェリーの乗船時間を除いて、144 時間を超えてはならないことになっています。
乗務割にあたって
運行管理者は、乗務員の過労を防止するため、深夜勤務の時間の長さ並びに深夜勤務、早朝勤務及び夜間勤務の連続等について十分に考慮し、法令で定める基準に従って事業者が定めた勤務時間及び乗務時間に係る基準に則って乗務時間の設定及び乗務調整を行う必要があります。
乗務割の作成上の一般的な留意事項(例)
・前日の作業終了時からの休息期間の確認
・深夜勤務時間の確認
・連続運転時間(深夜連続運転時間、高速道路連続運転時間を含む。)と中間における休憩時間の確認
・2 週間を通じ、必ず 1回休日を付与する
・公休割当の作成と、周知の徹底(公休割当は、やむを得ない事由以外は変更禁止。)
・長距離運行や夜間運行に際し、疲労等により安全な運転をすることができない場合の交替運転者の配置
・乗務前点呼で、運転者の酒気帯び及び健康状態を把握し、酒気帯び、疾病及び疲労等による乗務の禁止
休息をとることは非常に重要です。
気分が悪いときなどは無理をせず申告し、適切な対応をしましょう。
引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル