トラックやトレーラーを運転するプロのドライバーの皆さんは、その精密な運転技術と同時にお客様や周囲の人への対応力も求められます。
人と関わらない仕事はありません。
その中でも、トラックドライバーの皆さんは、物流と人を結ぶ職業なのです。
また、連結車についても以下にまとめましたので確認しておきましょう。
「プロ運転者」はお客様(発側)だけでなくお客様(着側)の評判も極めて高く、時にはお客様(着側)から個人指名されるケースがあります。
お客様の営業マン的役割を果たすとともに、自社の物量確保に熱心であり、走るセールスマン的な役割を果たす点は「プロ運転者」に共通した特徴です。
車両特性
「重量物輸送」はすでに説明した通り、大多数が連結車両及び大型トラックで実施されていますが、その車両特性にかかわる知識・経験不足による事故が発生しているため、正確な理解と運転操作ならびに管理者による指導が必要です。
連結車両はカプラとキングピンで連結されている構造です。
重量物を輸送するセミトレーラ(含むポールトレーラ)は、急制動により製品が前方、側方に移動し重大事故を惹起する危険度が高いので注意しましょう。
スピード超過運転は厳禁です。
連結車両は積載時と空車時では軸重差が非常に大きく車両のバランスが変化します。
特に鉄鋼製品等は重いため、後方からの押上げ(突き上げ)状態・感覚となり、ブレーキ操作やギア・チェンジ等の操作ミスにより、横転事故等を引き起すことがあります。
ブレーキ操作ミスにより、ジャックナイフ現象、トレーラスイング現象、プラウアウト現象等が発生する可能性があります。
スピード超過、急ハンドル、急ブレーキ等の「急のつく運転」は「プロ運転者」は厳禁です。
連結車両はトレーラ側の動きがトラクタ側に伝わりにくいため、運転者が異常発生の事態を認識することが遅れ、製品落下等の大事故を引き起こすことがあります。
長い下り坂を走行する時はフットブレーキ及びトレーラブレーキを使用しますが、単独の使用を避け、排気ブレーキ、リターダーブレーキ等の補助ブレーキを併用して減速しなければなりません。
セミトレーラの内輪差は大型車以上に大きいため、右左折時やカーブ走行時に巻き込み事故を引き起こす危険性があります。
従って、旋回操作に入る前の減速とコースの取り方が極めて重要です。
左折時は左側ミラーに写る範囲が狭くなり(右側も同様に死角)、左後方の死角が大きくなるため(右側後方も同様)徐行して一層慎重な安全確認を行わなければなりません。
右折時は右側ミラーに写る範囲が狭くなり(左側も同様に死角)、右後方の死角が大きくなるため(左側後方も同様)徐行して一層慎重な安全確認を行わなければなりません。
左右のピラーの距離感と死角に注意しなければなりません。
ドライバーの目の高さ(地上高)が乗用車に比べて2倍(2.5M)近く高い位置にあり、運転視界の大部分を路面を占めることになり、車間距離が長い等の錯覚を招きやすいです。
視界が高いため直前の車を見落とし、車間距離を長くとらないと追突するケースがあります。
交差点で信号が変わった直後の追突事故等は、この運転席の高さに起因する事例が多いので注意しましょう。
高い位置から見下ろす視線になるため、目の疲労や運転疲労を招きやすいです。
また、眼下の車や歩行者等の動向を確認出来にくいことがあります。
夜間は光を上から見下ろす形になるため、足元だけが明るく前方が暗闇になることが多く、前方の歩行者や物の発見遅れを招きやすくなります。
大型トラックやトレーラーは重量物を運んでいることが多い分、万が一のときにきちんと対処できるようにしましょう。
車間距離などをきちんと把握し、安全運転に努めましょう。
引用参考 鉄材等重量物輸送に携わるプロ運転者・管理者用ガイドブック