近頃は地震が多いですね。
身の安全を守るとともに、いざというときのトラックやトレーラーでの対応方法や注意事項を確認しておきましょう。
雨、風、雪、霧等の気象変化は、予測技術の進歩により「事業者」は、時間や場所を特定した運行管理指導ができる状況になってきました。
一方、平成7年の阪神大震災や23年に発生した東日本大震災では、大型地震の具体的予知が可能でないことを体験するとともに、その対応の難しさと甚大性を経験しました。
「重量物輸送」は今日まで諸作業の基準化(標準化)を進めてきましたが、改めて常日頃の体感訓練・現場教育の重要性と妥当性を再確認した次第です。
スピードの減速と適切な(長めの)車間距離が最大の防衛策です。
ジャックナイフ現象を回避するため、ブレーキ操作は適切かつ慎重に行うようにしましょう。
速度規制表示板等の指示事項を厳守するとともに、進路変更は原則禁止です。
大雨の時は安全な場所で一時避難するとともに、管理者との連絡を密にしましょう。
「指差・確認呼称」を厳守しましょう。
「雨(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
ハイドロプレーニング現象
雨天時の走行中にタイヤが水の膜の上を走るように滑走し、ハンドルやブレーキが効かない状態のことです。
タイヤ溝の摩耗、水量の多さ、タイヤ空気圧不足、スピードの出し過ぎ等に起因するものであります。
雨天時以上に視界が悪くなり大雪・吹雪ではほとんど視界が見えなくなる事態が発生します。
路面が非常に滑りやすく(特に坂、カーブ、橋の上等は厳重注意)ちょっとしたハンドルやブレーキ操作でスリップしたり、ブレーキを踏んでも車が止まらず、追突事故やジャックナイフ事故事例が多いのです。
交差点付近では路面が圧雪状態となり、滑りやすく事故が多発しています。
路面凍結に注意し減速する。車間距離はいつもの倍程度とるとともに、チェーンはSA・PAで早めに装着しましょう。
視界が悪い時は安全な場所で一時避難するとともに、管理者との連絡を密にしましょう。
橋の上・トンネル出入口・切り通し・日陰になっている所や、交差点付近等は路面が凍結しやすいです。
またカーブ・坂等ではスリップしやすいため特段の注意が必要です。
ジャックナイフ現象やスリップ事故の原因となる急ハンドル・急ブレーキは厳禁です。
スタッドレスタイヤは深い雪や水分の多い雪に性能が劣るとの指摘もあり過信しないでください。
「指差・確認呼称」を厳守しましょう。
「雪(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
スタッドレスタイヤを過信しない
スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤに比べると、雪道や凍結道での走行性能は優れていますが、決して万能のタイヤではありません。
スタッドレスタイヤをつけていても、雪道・凍結路では乾いた路面に比べると停止距離がかなり長くなります。
また、急ハンドルや急ブレーキはスリップの原因となるので、スピードを落とし、車間距離をとり、基本を守った運転が大切なのです。
濃霧
前方の視界がきかなくなり、前車の減速、停止に気付くのが遅れ追突事故が発生したり、道路状況が把握できず車線を逸脱してガードレールや側壁に衝突、転落事故等が発生しています。
霧が発生したら徐々に減速しましょう。
ヘッドライト(下向き)、フォグライトを早めに点灯し自車の存在を明示しましょう。
必要な場合はクラクションを鳴らし、自車の存在を知らせてください。
ガードレール、センターライン、前車の尾灯を目安にして走行するようにしましょう。
窓を開け、音を聞いて、他車の動きを目と耳と肌で確認し走行します。
濃霧がひどい時は安全な場所で一時避難するとともに、管理者との連絡を密にすることが大切です。
「指差・確認呼称」を厳守。
「濃霧(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
突発的な自然の災害は避けることができません。
より慎重に対応できるように日頃から準備しておきましょう。
引用参考 鉄材等重量物輸送に携わるプロ運転者・管理者用ガイドブック