トレーラーと重量物運搬7
日々の点検や安全運転は、万が一の事故を防ぐためにも非常に重要なことです。
そして全国の過去の事故の事例をきちんと確認することもまた、ドライバーの皆さんの安全運転の意識が高まり事故を防ぐひとつの手段になるのです。
スピード超過事故
「重量物輸送」に従事している車両が起こす交通事故は、速度と重量及び固縛方法に起因したものが圧倒的に多いことから、事故が発生するとその衝撃力、破壊力は一般車両に比較できないほど大きくなり、重大災害に繋がる可能性が高くなります。
特に、交差点やカーブで積載貨物が落下したり、車両が横転したりする事故は、「加速度は速度の二乗、加えられた大きさに比例する」という基本認識の欠如にあり、「管理者」は、固縛基準の厳守と速度オーバーをしない危険予知運転の重要性を徹底的に教育・指導し、「プロ運転者」を育成する必要があるのです。
- 重量車両である「重量物輸送」用車両の大事故は、その第一原因がスピード超過であり法定速度厳守・防衛運転が鉄則です。
- 停止距離は空走距離+制動距離であり、スピードを出せば出すほど「停止距離」は長くなります。
- 雨天・積雪等の路面状況においては、減速運転と長めの車間距離の確保を徹底しなければなりません。
事故防止対策のポイント
「重量物輸送」用のセミトレーラはキングピンで連結されている車両であり、トレーラの特性からもスピード超過が交通事故、品質事故に直結します。
過去に惹起した悲惨な重大事故事例と関係者の怒り・無念さ・苦しみを決して忘れてはなりません。
- 動体視力はスピードが速くなるほど低下します。
- 両眼の静止視野は200度程度であるが、スピードを出せば出すほど視界は狭まり、40km/hで100度、100km/hで40度とのことであり、スピード超過運転は「重量物輸送」には厳禁です。
- 走行速度を常時チェックする習慣を持ち、交通事故と品質事故防止に取組むようにしましょう。
- 車間距離は60km以下の速度では、走行速度から15kmを引いた車間距離(45M)を厳守しましょう。
- 「指差・確認呼称」を厳守しましょう。
- 「速度○○km(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」

交差点事故
「重量物輸送」車両はホイルベースの長さや連結車両特性、重量・速度にかかわる加速度等の変化により、交差点での製品落下事故や重大事故が発生しています。
交通事故の半数を占めるという交差点は、「重量物輸送」にとっては最重点危険地帯と考え、悲惨な事故事例を教訓に気持ちを引締め事故防止に努めなければなりません。
[事故事例]
- 相手側・当方ともに強引に交差点に進入し、製品事故、交通事故を発生させた事例。
- 前方不注視、車間距離確保不足等による追突事故事例(大型車特性で手前の車の見落しがある)。
- 右左折時の車両側方(前方)の二輪車、車両、横断歩行者等の確認不足による事故事例。
- 右左折時の車両後方(側方)の車両、構築物等との衝突事例。
- 右左折時のミラー及び目視確認の不足、ならびに死角による事故事例。
- 交差点付近での歩行者等の異常、非常識な斜め横断による事故事例。
事故防止対策のポイント
「重量物輸送」車両は車長が長く重量車であるため、交差点は最危険箇所と認識しましょう。
- 交差点では進入前に安全確認を行い、ブレーキペダルに足を置き危険に備えましょう。
- 右左折は最徐行厳守(10km/h以下)とし、目視をはじめバック・ミラー、サイド・ミラー及びアンダー・ミラーで側面や直前、後方の安全を確認しましょう。
- 信号機の黄色を確認した時は停止を基本とし車間距離は十分確保しましょう。
- 青信号発進時は前後左右に注意を払い、前車の発進を確認してスタートしてください。
- 横断歩道は全て一時停止を原則とします。
- 歩行者や自転車がいる時は、横断歩道の手前で一旦停止して横断を待つようにしましょう。
- 車両の陰からのバイク等の走行を見失わないように死角を注視する予測防衛運転を行いましょう。
- 「指差・確認呼称」を厳守します。
- 「交差点(注意)ヨシ!前方ヨシ!右ヨシ!左ヨシ!後方ヨシ!」
しっかりと確認できましたか?
全国単位であれば、トラックやトレーラーに限らず事故はどこかでおきています。
すこしでもお互いが更なる安全運転への意識を持って運転しましょう。
引用参考 鉄材等重量物輸送に携わるプロ運転者・管理者用ガイドブック
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