トラックやトレーラなどを含め、車は一部を除き排気ガスなどで環境問題に密接に関わりがあります。
もちろん、環境問題ということでは、車だけでなく私たちの普段の生活も見直さなければなりません。
トラックやトレーラも、きちんと正しく整備することによって、環境面に配慮することが可能なのです。
エア・クリーナの役割りは、エンジンの燃焼室に吸入する空気に泥やほこりなどの不純物が混入するのを防ぎ、シリンダの摩耗を減らし、燃焼状態を良好に保つことにあります。
このエア・クリーナが目詰まりすると、吸入空気量が少なくなり、燃費が悪くなり出力が
低下するだけでなく、黒煙の量が増加することになります。
エア・クリーナの目詰まりの状態をダストインジケ一夕ーなどによりチェックし、必要に応じて清掃又は交換しましょう。
エア・クリーナには、ドライタイプ(乾式)とビスカスタイプ(湿式)とあり、それぞれ取扱いが異なります。
ドライタイプ(乾式)のクリーナの場合は、エア・クリーナのエレメントを取り外して、清掃します。
内部より外側に向けて、圧縮空気を吹きつけて空気中のごみやほこりを落としましょう。
ビスカスタイプ(湿式)は、エレメント自体を交換します。
ビスカスタイプ(湿式)のエレメントは、乾式のような清掃はしません。
この他に、メーター内のランプで表示するタイプなどもあります。
タイヤの空気圧が200kPa(キロパスカル)(= 2.Okgf/cm2)低いと、燃費は約3%悪くなるといわれます。
空気圧が高いと燃費は良くなりますが、バーストなどが起きやすくなり、安全上の問題が生じることになります。
したがって、タイヤの空気圧は常に適正な範囲にしておかなければなりません。
タイヤの空気圧が高いと、次のような問題が生じます。
1.・コード切れ及びバースト
2.・タイヤ寿命の短縮
3.・偏摩耗(センター摩耗)
4.・乗心地の悪化
タイヤの空気圧が低いと、次のような問題が生じます。
1.・内部発熱によるトレッド部とカーカス部のはがれ
2.・タイヤ寿命の短縮
3.・偏摩耗(片減り、肩落ちなど)
4.・燃費の低下
タイヤの空気圧が適正な範囲にあるかをチェックしましょう。
チェックはタイヤが冷えた状態で必ずエアゲージを使って行います。
タイヤの摩耗と燃費
摩耗したタイヤは、トレッドの動きが少なく、ころがり抵抗が小さくなるので、燃費自体
は良くなります。
しかし、摩耗したタイヤは、濡れた路面などで滑り易く危険なため、摩耗具合によって、適切に交換する必要があります。
法で定められた運行前の点検や定期点検は確実に実施し、車を常に正常な状態で保持することが必要です。
点検項目の中でエコドライブに特にかかわりの強いものは次のとおりです。
ブレーキ
ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキの効きが十分であること。
ブレーキの液量が適当であること。
空気圧力の上がり具合が不良でないこと。
ブレーキ・ペダルを踏み込んで放した場合にブレーキ・バルブからの排気音が正常であること。
駐車ブレーキ・レバーの引きしろが適当であること。
タイヤ
タイヤの空気圧が適当であること。
亀裂及び損傷がないこと。
異状な摩耗がないこと。
溝の深さが十分であること。
ディスク・ホイールの取付状態が不良でないこと。
バッテリ
液量が適当であること。
原動機
冷却水の量が適当であること。
ファン・ベルトの張り具合が適当であり、かつ、ファン・ベルトに損傷がないこと。
エンジン・オイルの量が適当であること。
原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと。
低速及び加速の状態が適当であること。
灯火装置及び方向指示器
点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。
ウインド・ウォッシャ及びワイパー
ウインド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態が不良でないこと。
ワイパーの払拭状態が不良でないこと。
エア・タンク
エア・タンクに凝水がないこと。
運行において異状が認められた箇所
当該箇所に異状がないこと。
トラックやトレーラの管理や点検を行わなければならない場所はたくさんありますが、きちんと点検を行うことによって、安全な環境は保たれるのです。
車内環境に負荷がかからなければ、地球に優しいトラック、あるいはトレーラとして走行できますね。
引用参考 エコドライブ推進マニュアル