あなたが車を選ぶとき、どのようなことを考えますか?
プライベートの車であれば、見た目のカッコよさや、好み、普段使用している駐車場とのサイズ感など、色々なことを考えますよね。
トラックやトレーラも、燃費の良さや地域によるタイヤの最適化など、色々と考えて選ばれています。
とくに、車両の軽量化には、トラックやトレーラの様々な部品などにも密接に関わっています。
車両を軽量化するとその分燃費は良くなります。
特に、空車や積載量が少ないときは、さらに燃費の向上が大きくなります。
空車時は実車時に比べて30〜40%程度燃費が向上します。
実車時より空車時の方がエコドライブの燃費改善効果が大きいということです。
トラックに使われている部材の軽量化
荷台の縦根太、横根太のアルミ材使用、荷台の軽量板材の使用、荷台への鉄板敷きの排除、タイヤホイールやサイドバンパーのアルミ材使用、幌ウイングの採用など車両の用途を踏まえた軽量化部材や仕様を検討しましょう。
燃料タンク・タイヤ・工具類の軽量化
過大な容量の燃料タンクは、燃料やタンク自体の重量により車両が重くなりその分燃費が悪くなります。
従って、燃料タンクは使用する車両の特性を考慮して、過大なものとならないようにしましょう。
タイヤのパンク発生率、タイヤパンク時におけるドライバーのタイヤ交換の実績、チューブレスタイヤ装着によるパンク発生率の減少などを考慮して、スペアタイヤ及びタイヤキャリアを装着しない検討をしましょう。
車両技術の向上などにより、近年では故障も少なくなっており、工具を使用する機会も少なく、工具箱についても取り付けの必要性の有無を検討しましょう。
また、作業内容によっては不必要な諸機材(荷締機、ローラコンベア、タイヤチェーンなど)についても、こまめに取り卸しをすることが必要です。
タイヤには、バイアスタイヤとラジアルタイヤの2種類があります。
ラジアルタイヤはベルトにより補強されているため回転時の変形が少なく、バイアスタイヤよりころがり抵抗が小さいので燃費が良くなるのです。
さらに同じラジアルタイヤでもチューブレスタイヤは、チューブ付タイヤに比べて軽くて、偏平率が小さいため変形量が少なく、その分燃費が良くなります。
又、チューブ部分が無いためパンクやエア漏れに対する安全性も高いといえるでしょう。
使用する車両の用途を考えてタイヤのパターンを選定します。
例えば、一般の舗装路や高速道路を主に走行する車両には、リブ型のチューブレスタイヤを装着することで燃費の向上が図れます。
リブ
1、操縦性、安定性が良い。
2、転がり抵抗が少ない。
3、タイヤ音が小さい。
※高速道、舗装路走行用
リブラグ
1、リブとラグの凡用パターンで、両方の特徴を備えている。
※ダンプ、ミキサ、地場カーゴ用
ラグ
1、駆動力、制動力に優れている。
2、非舗装道路に向いている。
※中低速ダンプ、ミキサ用
ブロック
1、積雪、泥濘地用。
2、駆動力、制動力に優れている。
※オールシーズン(ダンプ除く)
エアロパーツ
エアディフレクタ(ウインドディフレクタともいう。)
エアディフレクタは、キャブとバン型荷台との高さの違いにより生じる空気抵抗を低減する装置です。
荷台がキャブより高い車両(バン型車)やキャブバックの広い車両に対してエアディフレクタを取り付けると、5〜10%の省燃費効果があります。
エアダム
車両の床下は、エンジンやサスペンションなどの突起があるため、強い空気抵抗を生じることになります。
この空気抵抗を低減する装置にエアダムがあります。
エアダムは、平ボデー車や特装車両に取り付けても効果があり、2〜4%の省燃費効果があります。
デジタル式タコグラフなど EMS 機器を導入すると、平均速度、急発進・急加速、急減速割合、エンジン過回転割合、燃費など運転状況をより細かく把握することができ、得られたデータをパソコンなどでエコドライブ管理用ソフトを使ってさまざまな形に分析して活用することができます。
車両の軽量化は、燃費の良さを考えますと、どのような車にも大切なことですね。
トラックやトレーラにはたくさんの荷物が積まれますから、本体が少しでも軽くなることが必要です。
燃費よく走ることは、エコドライブにもつながりますから、ぜひ車両の軽量化を目指しましょう。
引用参考:環境と安全に配慮した運転に向けたトラックドライバーのためのエコドライブ推進手帳