トラックやトレーラドライバーの皆さんは、車両を普段どのように管理していますか?
トラックやトレーラ、あるいは普通の乗用車もそうですが、車を維持するにはきちんとした管理が必要です。
一緒に確認していきましょう。
エア・クリーナが目詰まりすると、吸入空気量が少なくなり、燃費が悪くなり出力が低下するだけでなく、黒煙の量が増加することになります。
〔ポイント〕
エア・クリーナの目詰まりの状態をダストインジケーターなどによりチェックし、必要に応じて清掃又は交換しましょう。
噴射ノズルは、噴射ポンプによって高圧の燃料を高温、高圧の燃焼室内へ微細な霧状にして吹き込む装置です。
しかし、ノズルの噴射状態は、使用中に悪くなることがあり、燃費や環境に影響を与えるので定期的に調整したり交換する必要があります。
たとえば、エンジンを始動させた後しばらくしても黒煙がおさまらなかったり、積荷を載せて走行している際、エンジンに力がないと感じたら、専門の工場で噴射ノズルの点検を勧めます。
走行距離などに応じて適切なエンジンオイルの交換が必要となります。
エンジンオイルを寿命以上に長く使うと、エンジンオイルの粘度が高くなり、エンジンを痛めるだけでなく燃費も3〜5%悪くなります。
〔ポイント〕
交換予定距離や交換予定日を運転席にテープなどを貼って明示するとともに、その交換時期に達した時点で確実に整備管理者などに報告しましょう。
エンジンオイルは粘度が低いほど燃費が良くなり、粘度が高い程燃費は悪くなります。
また、粘度の低いエンジンオイルほどリング摩耗、メタル焼付、摩耗損失が早く始まるといわれています。
この相反するオイルの性能を同時に満足させるのが“マルチグレードエンジンオイル”で、低温では粘度が低く、高温では粘度が高いという特性を持っています。
マルチグレードエンジンオイルは、広い温度範囲で使用が可能です。
したがって、季節で使い分ける必要はなく、さらに始動性に優れており燃費改善効果も期待できるのです。
タイヤの空気圧が低いと、燃費は悪くなるといわれています。
空気圧が高いと燃費は良くなるが、バーストなどが起きやすくなり、安全上の問題が生じることになります。
したがって、タイヤの空気圧は常に適正な範囲にしておかなければならないのです。
〔ポイント〕
タイヤの空気圧が適正な範囲にあるかをチェックしましょう。
チェックはタイヤが冷えた状態で必ずエアゲージを使って行うようにしましょう。
摩耗したタイヤは、トレッドの動きが少なく、ころがり抵抗が小さくなるので、燃費自体は良くなります。
しかし、摩耗したタイヤは、濡れた路面などで滑り易く危険なため、摩耗の具合によって、適切に交換する必要があります。
速度記録
・車速が速すぎないか
・車速の変化が大きくないか
・一定速度で走行できるルートで、車速変動は±5㎞/h幅以内に納まっているか。
なお、交通の状況、時間帯等での変動があることや車速を無理に合わせようとするとアクセルペダルのバタツキを生じる場合があります。
回転記録
瞬間エンジン回転 数(r.p.m.)を記録します。
・エンジン回転が高くないか
・エンジン回転の変化が多すぎないか
・長時間アイドリングしていないか
走行距離記録
・ 走行距離を山形の線で記録する。1 山 10km
車速の変動
一定速度での運転が可能な区間の走行と思われる範囲で、加減速の巾が大きくないか(概ね5km/h の範囲)を見ます。
エンジン回転数の変動
車速に対するエンジン回転数の高さや回転数の変動の巾を見ます。
又、エンジン回転を「グリーンゾーン」を中心に使っているかどうかもエコドライブの目安になります。
長時間のアイドリング
出発前の暖機運転や、昼食、休憩などの長時間停車時などで、アイドリングが長くなっていないかをチェックし、不要なアイドリングと判断できるものは抑制するように心がけましょう。
(参考)
車両がアイドリング状態(大型車の場合450から550r.p.m)にあるときの時間あたりの燃料消費量は、そのエンジン排気量の約10%程度です。つまり、排気量10ℓのエンジンならば1時間アイドリングをすると1ℓの燃料を消費することになるのです。
いかがでしたか?
きちんと管理できているでしょうか?
とくにトラックやトレーラドライバーの皆さんは、お仕事で毎日使用しますから、念を入れて確認していくようにしましょう。
引用参考:環境と安全に配慮した運転に向けたトラックドライバーのためのエコドライブ推進手帳