春の訪れとともに、全国各地で行楽シーズンが本格化します。
桜や新緑を求めて多くの人々が車で移動するこの季節、交通量の増加に伴い、高速道路や一般道では様々な車両が混在します。その中で特に注意したいのが、大型トラックとの“距離感”です。
今回は、一般ドライバーが意識すべきトラックとの安全な付き合い方について解説します。
まず前提として理解しておきたいのは、トラックは私たちの生活を支える重要なインフラであるということです。日本国内の貨物輸送の約9割以上はトラックが担っており、食料品や日用品、精密機器など、私たちの身の回りのほとんどがトラックによって運ばれています。
特に岩瀬運輸機工のような輸送会社では、精密機械や大型厨房機器、航空宇宙関連機器など、振動や衝撃に極めて敏感な荷物を扱っています。こうした荷物は、急ブレーキや急加速、横風による車体の揺れなどが原因で損傷することもあるため、トラックドライバーは非常に神経を使いながら運転しているのです。
トラックは普通車と比較して圧倒的に車体が大きく、重量もあります。そのため、以下のような特徴があります:
・制動距離が長い
フル積載状態では制動距離が乗用車の約2倍になることも。急な割り込みは非常に危険です。
・死角が多い
特に後方・側面はミラーでも確認しにくく、「見えていない」と思った方が無難です。
・加速・減速に時間がかかる
上り坂や信号発進では加速が遅く、下り坂では車体が重いためスピードが出やすくなります。
これらを理解したうえで、安全な距離感を保つことが、事故防止につながります。
▶︎ 前方を走るトラックには十分な車間距離を
高速道路では、最低でも速度と同程度(80km/hであれば80m程度)の車間距離を確保しましょう。追突防止だけでなく、前方の視界も確保できます。悪天候時や渋滞時はさらに余裕を持つことが大切です。
▶︎ 追い越し時は素早く、無理はしない
追い越す際は左からではなく、必ず右車線から、ウインカーで合図を出してスムーズに行いましょう。トラックの横を並走する時間は短く、できるだけ早く安全に追い越すのが鉄則です。
▶︎ 割り込みは絶対にNG
トラックは制動距離が長いため、目の前に急に割り込まれると対応が難しくなります。危険運転として重大事故につながる可能性もあります。
▶︎ 後続車としての意識も重要
トラックのすぐ後ろを走ると、前方の状況が見えづらく、急ブレーキに対応できません。十分な距離を取り、できればトラックの先の視界を確保できる位置をキープすることで、安全マージンを確保できます。
春は一般ドライバーだけでなく、観光バスやレンタカー、運転に不慣れなドライバーも多くなり、事故のリスクが高まります。さらに、トラックは目的地や時間に追われることも多く、効率的な走行が求められています。
そんな中で求められるのは「譲り合い」の精神です。例えば、合流ポイントでは速度調整でスペースを作ったり、渋滞中には急な車線変更を控えたりするだけでも、事故やストレスを減らすことができます。
春の行楽シーズンは、ドライブの楽しさとともに、思わぬリスクも増える時期です。特にトラックとの“距離感”は、安全運転の要とも言える重要なポイントです。
大型車両は、目立つ存在であると同時に、見えない努力と責任を背負って走っています。一般ドライバーがその特性を理解し、思いやりのある運転を心がけることで、道路全体の安全性が向上します。
この春も、楽しいドライブとともに、安全第一で過ごしましょう。
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