日々の物流を支えるトラックは、長時間・長距離の走行を前提とした車両です。
しかし、忙しい現場では「エンジンをかけたらすぐ発進」という運行が習慣化しているケースも少なくありません。
暖機運転と聞くと、「昔の話では?」「今のエンジンには不要なのでは?」と思われがちですが、トラックのような大型車両では、現在でも重要な意味を持っています。
この記事では、暖機運転の役割や、行わなかった場合に起こり得るトラブル、そして安全運行につなげるためのポイントについて解説します。
エンジン始動直後は、車両の各部がまだ本来の性能を発揮できる状態ではありません。
この状態でいきなり走行を開始すると、以下のようなトラブルにつながる可能性があります。
・エンジン内部の潤滑不足による摩耗
・エンジン回転の不安定化や出力低下
・ミッションや駆動系への過度な負荷
・冬場におけるエンストや加速不良
特にトラックは積載量が大きく、エンジンや足回りにかかる負荷も大きいため、
暖機不足は車両トラブルや故障、ひいては事故のリスクを高める要因となります。
暖機運転の目的は、「エンジンを温めること」だけではありません。
主に以下のような役割があります。
◼︎エンジンオイルを全体に行き渡らせる
始動直後のエンジン内部では、オイルが十分に循環していない状態です。
暖機運転を行うことで、潤滑状態が安定し、部品の摩耗を防ぎます。
◼︎エンジン回転を安定させる
アイドリングが落ち着くことで、急加速や不安定な挙動を防ぎ、スムーズな発進が可能になります。
◼︎車両全体の状態確認につながる
暖機中に異音や警告灯、振動などを確認することで、早期の不具合発見にもつながります。
暖機運転=「長時間アイドリング」というイメージを持たれることもありますが、
現在では必要以上の長時間アイドリングは推奨されていません。
基本的な考え方は以下の通りです。
・エンジン始動後、30秒〜1分程度アイドリング
・エンジン回転が安定したら、急加速を避けて穏やかに走行開始
・水温計や警告灯を確認しながら通常走行へ移行
このように、「短時間+丁寧な発進」が現代のトラックに適した暖機運転といえます。
暖機運転をドライバー任せにせず、組織として徹底するためには、運行管理者の関与が欠かせません。
・出発前点呼時に暖機運転の実施を促す
・季節(特に冬場)に応じた注意喚起
・車両トラブルの報告内容をもとに運行ルールを見直す
こうした取り組みによって、車両トラブルの未然防止と事故リスクの低減につながります。
暖機運転の考え方は、トラックだけでなく乗用車にも共通します。
・冬場の冷間始動直後の急発進を避ける
・エンジン音や振動に違和感がないか確認する
・「いつも通り」を疑う意識を持つ
日常的な運転の中でも、少し意識を変えるだけで車両への負担は大きく減らせます。
暖機運転は、時間を無駄にする行為ではなく、安全に走るための大切な準備です。
エンジンや車両をいたわることは、結果としてドライバー自身の安全を守ることにつながります。
トラックの暖機運転は、車両トラブルや事故を防ぐための基本的な安全対策のひとつです。
忙しい現場だからこそ、こうした基本をおろそかにしないことが、安定した輸送品質につながります。
岩瀬運輸機工では、車両管理とドライバーの安全を最優先に考え、日々の運行に取り組んでいます。
↓↓ 岩瀬運輸機工について詳しくはこちら ↓↓