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飲酒運転撲滅へ 罰則と条例制定

  • 執筆者の写真: 茂木 敦史
    茂木 敦史
  • 2023年2月17日
  • 読了時間: 7分

目次





「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」

誰しも一度は目にしたことがある言葉ではないでしょうか。   たとえ少量のお酒でも運転能力、判断力などが低下し 安全な運転をすることはできません。   危険性の周知や厳罰化にも関わらず まだまだ飲酒運転による事故は後を絶ちません。  

<飲酒運転と事故>

  近年 若者の車離れが増加傾向とともに アルコール離れもしているといいます。  

20代

で飲酒習慣がある人は、 2019年の調査では わずか

7・8%(男性12・7%、女性3・1%)


30代

でも

17・2%(男性24・4%、女性11・1%)

でした。 1996年の調査に比べると 飲酒習慣のある男性の割合では、

20代で約3分の1、30代で約2分の1

と顕著に減っており、 近年の娯楽の多様化やリスク回避志向の高まりが影響していると考えられています。   とはいえ   飲酒運転による死亡事故の主な特徴の一つに 年齢層別の免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は、 30歳未満の年代で多いこともわかっています。

●事故件数●

  飲酒運転による事故件数、及び死亡事故は、 平成14年以降、飲酒運転の厳罰化や 飲酒運転根絶に対する社会的気運の高まり、   若者のアルコール離れ等により 大幅に減少してきましたが、 平成20年以降は減少幅が縮小しています。  

令和3年中

飲酒運転による交通事故件数

は、

2,198件

               前年比-324件、-12.8%

そのうち、

死亡事故件数

は、

152件

               前年比-7件、-4.4%

  飲酒運転による死亡事故には 下記のような

特徴

があると言われています。  

・事故発生時間が 22時~6時まで が約6割を占める。

・飲酒死亡事故件数は、 30歳未満では22時から6時まで65歳以上では14時から22時までに多く発生している。

・運転者の飲酒状況は、呼気0.25mg/l以上が約7割を占める。

・アルコールの影響が大きい状況では、

車両単独による死亡事故が多く 運転者や同乗者が死亡する事故が多いが、

約3割は第三者を死亡させている

  また、飲酒運転の死亡事故率は、

飲酒なしの約9倍

と極めて高く、 飲酒運転による交通事故は死亡事故につながる危険性が高いことが分かります。  

<飲酒運転の罰則>

  飲酒運転は、 ビールや日本酒などの飲酒後に そのアルコールの影響がある状態で自動車などの車両を運転する行為です。   日本では 飲酒運転が法律上明文で禁止されたのは、

1960年

の道路交通法改正の際で 比較的近年になってからのことです。 この法律では、呼気1リットルに対し0.25mg以上の状態での運転が禁止され 酒気帯び運転違反に対する刑罰は、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金でした。 その後、段階的に厳罰化が進んできています。   現在では この

道路交通法違反

となる飲酒運転には、

「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類

があります。

《酒気帯び運転》

呼気1L中にアルコールが

0.15mg以上

検出されると、

酒気帯び運転

となります。   アルコールの濃度によって、以下のように違反点数が変わりますが 違反点数やその他の処分は、どちらも前歴やその他の累積点数がない場合に限り、 ある場合は、違反に応じてより高い点数が付されます。  

0.15mg以上 0.25mg未満

違反点数:基礎点数13点 行政処分:免許停止90日

0.25mg以上

     違反点数:基礎点数

25点

行政処分:

免許取り消し/欠格期間2年

※   ※欠格期間→免許の再取得ができない期間  

《酒酔い運転》

呼気中のアルコール量とは関係なく、客観的に見て、

アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態

で運転した場合をいいます。 具体的には、

・直線の上を歩かせてふらつくかどうか・視覚が健全に働いているか・運動・感覚機能が麻酔されていないか・言動などから判断・認知能力の低下がないか 等の点が総合的に判断されます。

酒酔い運転をすると、

違反点数:基礎点数35点 行政処分:免許取り消し/欠格期間3年

また、酒気帯び運転と同様 前歴や累積点数がある場合は、違反に応じてより高い点数が付されます。   飲酒運転では、行政処分に加えて以下の

罰則

も科されます。

酒気帯び運転…3年以下の懲役または50万円以下の罰金 酒酔い運転…5年以下の懲役または100万円以下の罰金

アルコールを測定する呼吸を測る

「呼気検査」

を拒否すると下記の罰則もあります。  

呼気検査拒否罪・・・3か月以下の懲役又は50万円以下の罰金

飲酒した運転手以外の罰則

  平成19年9月に施行された改正道路交通法により これまで規制されていなかった

飲酒運転者の周囲の者に対する罰則

を設けました。  

・酒類提供罪   

→ 飲酒後に運転すると知りつつ酒類を提供した人

・要求依頼同乗罪 

→ 飲酒の事実を知りつつ車に乗った人

運転者が酒気帯び運転

・・・2年以下の懲役または30万円以下の罰金

運転者が酒酔い運転

・・・3年以下の懲役または50万円以下の罰金

・車両等提供罪  

→ 飲酒の事実を知りつつ車を提供した人

運転者が酒気帯び運転

・・・3年以下の懲役または50万円以下の罰金

運転者が酒酔い運転

・・・5年以下の懲役または100万円以下の罰金

令和2年では これらの取締り件数は下記のとおり発表されています。  

酒類提供罪・・・・・55件要求依頼同乗罪・・・693件車両等提供罪・・・・81件

<酒類提供罪と条例>

  この酒類提供罪については 全国初となる条例を設けた福岡県の試みに注目が集まりました。  

福岡県

では、2012年に議員提案による

「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」

が制定されました。 飲酒運転撲滅条例としては、全国初の罰則付き条例であり、 県民、事業者、飲食店営業者などの責務を具体的に定めています。   この条例では まず飲酒運転で検挙されたドライバーに 違反が初回の時は、アルコール依存症検査を受診するよう努めなければならず、 5年以内に再度違反すると受診義務が課され 受診しない場合、5万円以下の過料としました。   さらに飲食店が飲酒運転違反者に酒類を提供した場合 公安委員会から違反事実が通知され、1年以内に再度違反者が出たときに、 飲酒運転防止の取組を指示されたにもかかわらず、 その取組を怠った場合、店名の公表と併せて指示書の店内掲示が義務付けられ 掲示しない場合は5万円以下の過料としました。  

2023年1月 千葉県

でも

「飲酒運転の根絶を実現するための条例」

を改正し 飲酒運転根絶に向けた取組を強化するため 飲食店側への罰則等を整備しました。   千葉県では 2021年に八街市で下校途中の小学生の列に 飲酒運転のトラックが衝突し 5名の児童が死傷した痛ましい事件を受け、 この条例を施行しました。  

飲食店営業者に対して


・啓発文書等を掲示するよう努める・酒類の提供を求める客に対し、交通手段を確認する・駐車場が設置されている場合は、啓発文書を掲示すること・飲酒運転を防止するための措置が確認できない場合等には、酒類の提供をしないこと

  等の責務を明確に記し、 県の求める改善策などに応じない場合は

5万円以下の過料

を科すほか、 県の立ち入り調査も可能となりました。

これまでは努力規定にとどまっていた事業者側のルールが義務化

されました。   また 事業者に対しては 従業員の教育や指導、そして アルコール検知器等を活用するように具体的に飲酒の有無を確認することを指示しています。

その他には ・酒類小売業者・タクシー事業者及び運転代行業者・駐車場所有者等・イベント等主催者

といった対象者にも飲酒運転の根絶に関する啓発等に努めるよう記されています。   千葉県では 条例制定に際し、   飲酒運転を根絶するためには、 運転者一人一人のみならず、 その雇用主等まで含めた徹底した法令遵守をはじめ、 県民の飲酒運転根絶意識の向上を図るための啓発や 県民総ぐるみで対策を講じるための体制を整備するなど、 県、県民、事業者等が一体となって、

飲酒運転の根絶

に取り組む必要がある、としています。   これは どの都道府県にも関わらず 飲酒運転撲滅に不可欠なコンセンサスとなり ひとりひとりの行動、意識と多様な業種の参画協力等 社会全体で取り組むことで 安心して暮らすことができる地域社会の実現の一歩となるのではないでしょうか

<まとめ>

  安全な運転を妨げる「飲酒」 近年の厳罰化や社会的機運の高まりによって減少傾向にあるものの さらなる飲酒運転の根絶のために 都道府県条例の制定による取り組みも活発化しています。  

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