トレーラと危険物安全輸送
トレーラで危険物を輸送することもあります。
ここでいう危険物とは、所謂ガスなどのわたしたちの生活に欠かせないものです。
また、自身がトラックやトレーラにて危険物輸送を行っていなくとも、周囲には輸送を行っているトレーラが走行しているかもしれません。
双方のために、きちんと確認していきましょう。
危険物の法規を守る
危険物の法規のうち自分が関係する法規について、不明な点があれば、細かいことでもはっきりさせておきましょう。
資格に誇りを持つ危険物関連免許の携帯はもちろん、一般のドライバーとは違った技術を持っていることの誇りと、それに基づく正しい作業をしましょう。
出発前の確認事項
危険物・高圧ガス等を輸送するときには、出発前に車両の備品や携行物をよく確認する必要があります。
車両備品一覧
- 適合する所定の消火器
- 赤旗、赤色合図灯または懐中電灯
- メガホン
- 車輪止め(2個以上)
- 停止表示機材
- 必要工具
高圧ガスの場合には、上記のほかに
も必要です。
免許証および資格証
- 運転免許証
- 危険物輸送の場合は「危険物取扱者免状」
- 高圧ガス輸送の場合は「高圧ガス移動監視者講習修了証」
イエローカード
イエローカードとは、消防法の危険物を輸送する場合や高圧ガスを輸送する場合の品名別の注意事項等を記載した黄色の書面で、発荷主が用意するものです。
輸送中は、このカードを携帯しなければなりません。

積卸場での注意点
石油類および液化石油ガスの積卸場では、特に次の点に注意が必要です。
石油類・液化石油ガス共通の注意点
- 指定された位置に車両を止め車輪止めの脱着を行いましょう。
- アース線の取付け、取外しを行いましょう。
- 火気、火花現金、静電気発生防止を行いましょう。
- 車を離れずに常に積卸しを監視します。
- きめられた品名の危険物の数量の条件の中で積卸しを行います。
石油類の注意点
- ガソリンタンクに注入する時は注入管の先端わタンクの底につけて行いましょう。
- ガソリンを入れていたタンクに軽油や灯油を注入する場合、またはその逆を行う場合は所定の注入方法と残留ガスの放出を行います。
- 積卸し前後のホースの脱着、マンホール蓋の開閉などの作業は確実に行いましょう。
液化石油ガスの注意点
- 注入ホースの脱着、元弁の開閉、接続口キャップの脱着などの作業は確実に行いましょう。
- 充填量、圧力、温度(40℃以下)を計器により確認しましょう。
タンクローリーの車両特性
タンクローリーの事故の特徴のひとつに横転があります。
これはタンクローリーの車両特性と大きな関係があります。
積荷が動きやすい液体である
- 石油類などの液体は、個体と違ってタンク内で動きやすいために、カーブや交差点で急旋回するとき、遠心力によって液体の積荷が外側に片寄る。
- 急ブレーキの時は前に、また、急加速の時は後ろに積荷が片寄る。
などの特徴があり、横転やジャックナイフ現象などの原因となります。
積荷により重心が高くなること
積荷により重心が高くなり、車体を倒そうとする力が大きくなります。
例えば20kl積みの1軸トレーラの場合、空車時の車両の重心の高さは約1.25mですが、積載時には約1.85mになります。
そのためカーブなどで横転しやすくなります。
こうしたタンクローリーの特性をしっかりと理解して、ハンドルやブレーキ操作に十分に注意し、より慎重に走行する必要があります。
液化石油ガス・タンクローリーの注意点
液化石油ガス・タンクローリーを運行する場合には、特に次の点に注意する必要があります。
運行中の注意点
- ガスの温度を常に40℃以下に保ちましょう。
- ガスの温度の上昇を防ぐためには水をかけたり、日陰に止めるようにしましょう。
- 繁華街や人混みを避けて通行しましょう。
- 上方の障害物に注意します。
- 車両の高さよりもタンクの高さが高い場合は、高さ検知棒を設けましょう。
駐車時の注意点
- 病院、学校、駅、大規模店舗、重要文化財などに近い場所での駐車は避けましょう。
- 住宅密集地での駐車は避けましょう。
- 駐車は交通の流れが連続していなくて、火気のない広い場所で行いましょう。
- 駐車場はやむを得ない場合を除いて運転者は車から離れてはいけません。
- やむを得ず離れる場合は監視できる場所にいるようにしましょう。
万一、運行中ガス漏れがあった場合
- 状況に応じ安全な場所に移動しましょう。
- 付近の火気の管理を要請します。
- 緊急通報などの応急措置を行いましょう。
トレーラでの危険物輸送には注意点がたくさんあります。
しかし、それはトラックや危険物輸送ではないトレーラも同じです。
ルールを守って安全に走行しましょう。
引用参考 道路・車種に応じた運転
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