物流の効率化を支える税関の検査機器
更新日:10月5日
2022年 税関は 税関発足150周年を迎えました。
1872年、明治5年11月28日 今日の税関の前身である「運上所」から改称され
正式に発足して以来、日本の貿易の健全な発展と 安全な社会の実現に大きな役割を果たしています。
<税関とは>
江戸時代末期、鎖国から開国へと歩む中、
貿易のために開かれた港には「運上所」という税関の前身が置かれました。
「税関」として正式に発足して以来 時代の変化とともに税関行政の機能を強化し
新たな制度及びシステムを導入を進め 近年では通関手続きのデジタル化も取り組まれるようになっています。税関は開港場・空港・国境などで、貨物の輸出入の許否、関税・トン税などの賦課・徴収、
船舶・航空機および旅客の携帯品/密輸品の取り締まりなど の事務を取り扱う官庁で
財務省の地方支分部局になります。
日本では 函館、東京、横浜、名古屋、神戸、大阪、門司、長崎、沖縄地区
に設置され、それぞれの地域を管轄しています。
税関では以下の3つの大きな使命のもと、 国内関係機関や関係業界、さらには各国の税関や国際機関などと連携・協力しながら、適正な税関行政の運営に取り組んでいます。
「安全・安心な社会の実現」
銃器・不正薬物等の密輸阻止を最重要課題とするとともに、 我が国におけるテロ行為等を未然に防止することにより「世界一安全な国、日本」を築く。
「適正かつ公平な関税等の徴収」
国税収入の約1 割相当を徴収する歳入官庁として、適正かつ公平に関税等を徴収する。
「貿易の円滑化」
国際物流におけるセキュリティを確保しつつ、通関手続を一層迅速化する。
<輸出入禁止の品目>
私たちが海外旅行の際、空港で行われる荷物検査
これが一般の人に最も身近に感じられる税関の役割でしょう。
ワシントン条約で定められている規制対象の希少動物の密輸や日本の貴重な果物の持ち出し、
偽ブランド品の大量発覚といったニュースも耳にされたことがあるのではないでしょうか。
税関は、このような違法な輸出入を防ぎ物品や物質の点検や
貨物等の輸出入に関する申告が正しく行われているかどうかを審査し、必要な検査を行います。
「関税法」により 輸出入が禁止されているものが定められています。
・ 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚醒剤原料を含む。)
・指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
・けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
・爆発物/火薬類
・化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
・児童ポルノ
・特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権を侵害する物品
・不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで、第10号、第17号又は第18号に掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第19条第1項第1号から第5号まで、第7号又は第9号に定める行為を除く。)を組成する物品
また、貨物によっては 「食品衛生法」「食物防疫法」「家畜伝染病予防法」
などの法令手続きが必要となるものがあります。
<特殊機材の活用>
税関では移出入物品の検査を効率的かつ正確に実施するため、様々な特殊機材などが使用されています。例えば、「麻薬探知犬」もその一つで、空港で見たことがあるという方も少なくないでしょう。
麻薬探知犬は 嗅覚により、荷物の中に隠された麻薬などの不正薬物を探知するよう専門の訓練を施された犬で 全国の税関に配置されています。近年は薬物のほか、爆発物や銃器をも探知できる新たな訓練を施された探知犬も配置されているそうです。
他にも 船内検査や輸出入貨物検査で直接目視できない奥まった狭小な場所を確認する時に使用する
ファイバースコープや金属探知機、爆発物車載型探知装置といった機材も使用されています。
貨物の検査を効率的に行える検査装置として重宝されているのが 「X線検査装置」になります。
荷物・貨物を開披せずに内容物の検査が可能であることから、適正・迅速な通関が可能で 国際空港や国際郵便交換局内の税関出張所、港湾のコンテナヤード出入口に設置されています。
船で運ばれる荷物は大型のものが多く、大型トレーラーやコンテナをそのまま収容して検査する大型X線検査装置や、2トントラックシャーシに架装し、必要な場所に移動して検査を実施できる車載型X線検査装置もあります。
2007年には「車載式後方散乱X線検査装置」が導入されました。
従来の透過型の X線検査装置と異なり、X線を貨物に向かって照射し、対象貨物の横を低速で通り過ぎるだけで検査が可能となりました。このような大型装置は年々性能や精度が向上し、最新装置の仕組みは、X線を発生させる電子線加速器によりコンテナ内部を透視、作画して異物の混入を検査することができ 1回の検査時間を約2時間から約10分に大幅に短縮することが可能になったといいます。
検査作業の効率化と巧妙化する不正輸入の手口に対応するため、検査技術も日々進化を続けています。膨大な輸出入量を管理しなければならない税関の役割が非常に重要な中で 省人化および物流の効率化・迅速化を図ることが可能な装置のさらなる向上に期待したいですね。
<まとめ>
税関では日本の「関所」として 海外と日本で取引されている輸出入品を日々審査や検査業務をする機関です。そこで使用されている様々な特殊な機材により 密輸や違法な物品を効率的に迅速に検査しています。







