エコドライブにおける燃費実績の把握と分析


エコドライブへの取り組みの中で、必要になる情報があります。

そのひとつが「燃費実績」です。

個々の燃費実績を把握することで、エコドライブに限らず具体的な改善を行うことができるようになります。

 

エコドライブの効果

エコドライブ(ECO DRlVE)とは、「ECOLOGY DRlVE」と「ECONOMY DRlVE」を掛け合わせた造語であり、環境に配慮した運転方法により環境保護、資源保護、経済的利益、さらに穏やかな運転を心掛けることによる安全性をも追及しようとする運動に由来しています。

すなわち、エコドライブは単にエネルギー消費の節減や経済メリットを追及するだけでなく、排出ガスの抑制、事故防止、経営コスト削減など、「環境」「安全」「経営」の3つの効果を期待するもので、業界の環境対策の中でも重要な取り組み課題として位置づけられています。

 

燃費実績の把握と分析

エコドライブを推進するうえで、燃料の消費量や燃費の実績を把握することが必要不可欠となります。

こうした実績の把握のために以下に例示するような実績表を作ります。さらに、こうしたデータをドライバーに示したり、ドライバーや管理者の意見交換会の資料に活用するようにします。

 

1、燃料消費量の把握

各車両ごとの燃料消費量は、給油明細表をもとに管理表を作成して把握することができますが、簡便な把握方法の一つに、給油の都度満タンにしてその給油量を把握する方法もあります。

 

2、時系列にもとづく燃費管理

燃費の管理の基本は、季節波動などを考慮して、時系列にもとづいて行うことがポイントです。そのためには、次のような様式による管理表を適宜作成して、個々の車両やドライバー、グループごとの実績を把握するようにします。

3、燃料消費に影響する要因

車両の燃料消費量は、ドライバーの運転方法だけでなく次のような要因によっても影響を受けます。従って、評価にあたっては燃費の実績だけでなくこれらの要素をある程度加味する必要があります。

 

① 運行条件

運行条件の異なる車両の燃費を単純に比較して、「こちらが良い、悪い」と判断することは、誤った判断となる可能性が大きいので注意が必要です。

車両相互の比較をする場合は、運行条件の近いもの同士を比較するなどの配慮が必要です。

 

② 車齢

新車の方が燃費は良く、古くなるほど車両の各回転部分の摩耗が進み、この摩擦による抵抗が増えることで、燃費は悪くなる場合もあります。

 

③ 道路の状況

勾配(坂道)の多い道路、カーブの多い道路では燃費が悪くなります。

 

④ 交通状況

市街地は、信号や交差点が多いので発進・停止が多くなりがちで、さらに時間帯によって渋滞が多くなると燃費は悪くなります。

 

⑤ 季節

外気温の低い冬期は燃費は悪くなりますが、夏期でもクーラーの使用が多いと燃費が悪くなる場合があります。

 

⑥ 気象条件

降雪や台風など特殊な気象条件下では、路面が悪化したり風雨による空気抵抗が加わるなどで燃費が悪くなります。

 

⑦ 車両の大型化の検討

車両総重量の異なる車両の燃費を比較しようとするときは、輸送トン・キロを用いると良いでしょう。

つまり、積載量によって車両(車両総重量)が重くなると、その分エンジンなどの負荷が大きくなり、転がり抵抗も増すことなどから燃費は悪くなりますが、これだけの要素で燃費の悪い車と判断することはできません。そこで、実際に輸送したトン数とそれに対する走行キロを掛け合わせた輸送トン・キロを算出し、これを燃料消費量で割って、輸送トン・キロを求めて、比較すると良いでしょう。

ただし、実務的には1運行ごとに輸送トン・キロを算出し、これを積算し整理していくことは、日常では煩雑な業務になります。しかしながら、単車の車両総重量8トン車から11トン車への切り替え、車両総重量20トン車から25トン車への切り替えのときや単車からセミトレーラへの切り替えのときなどの車両の大型化を検討する際に、この考え方が応用できます。

 

さまざまな条件下により燃費実績を細かく見ていくことで、エコドライブの取り組みへ繋がるだけでなく、車両の不調に気づくこともできます。

 

引用参考:エコドライブ推進マニュアル

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運行管理者とは


皆さんは「運行管理者」についてどのくらいの内容をご存知でしょうか?

トラックやトレーラドライバーの皆さんにとっては身近な存在かもしれませんね。

運行管理者にもきちんとした制度が設けられています。

 

運行管理者制度について

事業者にとって経営上最も重要な事項は、輸送の安全確保です。

そのために、事業者は、運行の安全確保を適切かつ効果的に行うため、各営業所に運行管理の専門家を配置し、業務の遂行に必要な権限を与えて専門的に従事するという運行管理者制度を設けています。

 

運行管理者の選任数

運行管理者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を事業者と一体となって遂行する職務を担う必要があることから、安全の確保に関する業務を遂行するために十分な管理者数が必要であるとともに、専門知識、経験が要求されることになります。

こうしたことから、全ての営業所に運行管理者を1名以上選任することが義務付けられています。ただし、5両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所で、地方運輸局長が当該事業用自動車の種別、地理的条件その他の事情を勘案して当該事業用自動車の運行の安全の確保に支障を生ずるおそれがないと認められる場合は、運行管理者の選任が義務付けられないことがあります。

 

点呼についての規定

IT 点呼

同一の事業者内のGマーク営業所において、「国土交通大臣が定めた機器」を用い、営業所間または営業所と車庫間で行う点呼をいいます。

 

他営業所点呼

2 地点間を定時で運行する等定型的な業務形態にある同一事業者内の一のGマーク営業所に所属する運転者が、同一事業者内の他のGマーク営業所の運行管理者等により対面による点呼を行うことをいいます。

 

同一敷地内に複数の営業所が所在するグループ企業の点呼

同一敷地内に複数の営業所が所在するグループ企業(資本関係があるグループ企業をいう。)が、当該敷地内の一のGマーク営業所の運行管理者等により、閑散時間帯(連続する8時間以内であって、原則、深夜、早朝をいう。)に対面による点呼を行うことをいいます。

統括運行管理者の選任

営業所に複数の運行管理者を有する場合は、統括運行管理者を選任しなければなりません。

 

運行管理者の選任等の届出

運行管理者を選任または解任したときは、1週間以内に国土交通大臣に届け出なければなりません。

 

運行管理者の資格要件

事業者が選任すべき運行管理者の資格要件は、次のとおりです。

(1)運行管理者試験に合格した者。

(2)次のいずれかの実務の経験その他の要件を満足する者。

① 事業用自動車の運行管理に関し 5 年以上の実務経験を有し、かつ、その間に国土交通大臣が告示で定める運行の管理に関する講習を 5 回以上受講した者。

② 事業用自動車の運行管理に関し 1 年以上の実務経験を有し、かつ、国土交通大臣が定める職務に 2 年以上従事した経験を有する者。

補助者の選任

一人の運行管理者が 24 時間勤務していることが現実的に不可能であるため、営業所内で一定の能力を有するものを「補助者」としてあらかじめ選任し、運行管理者の指導監督の下、営業所における運行管理業務を適切に実施する必要があります。

補助者は、運行管理業務のうち補助的な行為について運行管理者の指示の下、次の業務を実施することができます。

 

・点呼の一部(少なくとも運行管理者が 3 分の 1を実施しなければならない)。

・運行指示書に係わる資料作成及び運転者への伝達行為。

 

・補助者は、運行管理に関する知識を有する等運行管理者に準じる者であること。したがって補助者の資格要件は、次のいずれかに該当している必要があります。

運行管理者資格者証(貨物または旅客)を取得していること。

国土交通大臣が認定する基礎講習を受講していること。

 

・補助者の選任については、運行管理者の補助として業務に支障が生じない場合に限り、同一事業者のほかの営業所を兼務しても構いません。ただし、その場合には、各営業所において、運行管理業務が適切に遂行できるよう運行管理規程に運行管理体制等を明記するとともに、体制を整えておかなければなりません。

 

・補助者は、運行管理者の履行補助を行う者であって、運行管理者に代わって運行管理業務を行う者ではありません。ただし、点呼に関する業務については、その一部を補助者が行うことができます。

 

・補助者が補助として行う業務は、運行管理者の指導及び監督のもと行われるものです。したがって、補助者が行う業務において、以下のようなおそれがあることが確認された場合には、直ちに運行管理者に報告を行い、運行の可否の決定等について指示を仰ぎ、その結果に基づいてそれぞれの運転者に対し指示を行わなければなりません。

運転者が酒気を帯びている

疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができない

無免許運転、大型自動車等無資格運転

過積載運行

最高速度違反行為

 

如何だったでしょうか。

トラックやトレーラのドライバーの方が安全に、そして安心して運転できるようにサポートするような内容が多かったですね。

「運行管理」のことを理解してスムーズに業務ができるようにしましょう。

 

引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル

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運行管理業務について


企業でトラックやトレーラなどの運行はきちんと管理されています。

何をどこに運ぶのか、あるいはドライバーは誰なのか、などの取りまとめはもちろん、トラックやトレーラでの運行が安全に行われるように処置を行います。

 

貨物自動車運送事業者の遵守事項と運行管理者の業務

貨物自動車運送事業は、社会的必需性が高く、公共性を有しているため、利用者の利益の保護と公共の福祉の増進を期し、かつ、運送事業の健全な発達を図るために、さまざまな法的規制が課せられています。

貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的に行うために、貨物自動車運送事業法(平成元年12 月19 日法律第 83 号)並びに貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2 年 7 月 30 日運輸省令第 22 号)が制定されており、貨物自動車運送事業者はこの法令を遵守し事業を行わなければなりません。

特に、法第17 条(輸送の安全)には輸送の安全確保のために「過労運転の防止」と「過積載による運送の禁止」の事項が定められています。

また、運行管理者は、事業者から運行の安全の確保に関する業務を行うために必要な権限を与えられ、誠実にその業務を行うべきことが法第 22 条(運行管理者等の義務)に規定されています。

 

運転者の選任

ポイント

1、事業者は、事業用自動車の数や荷役その他の自動車の運転に付帯する作業の状況等に応じ、必要となる運転者や従業員の確保に必要な処置を講じなければならない。

 

2、事業者は、業務に必要な運転者を常時選任しておかなければならない。

(選任された運転者以外に、事業用自動車を運転させてはならない。)

 

3、次の者は、上記 2. の運転者として選任してはならない。

・日々雇い入れられる者。

・2 月以内の期間を定めて使用される者。

・試みの使用期間中の者(14 日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く)。

解説

事業者は、業務に必要な運転者を常時選任しておかなければなりません。

運送事業は、顧客の利益の保護を目的とした許可事業であり、常に安定した輸送業務を提供できなければなりません。そのためには、許可された事業計画が円滑に遂行できるよう、また許可された車両数がいつでも稼動できるよう、常時選任された運転者との雇用関係が安定的に確立していなければなりません。

※ 事業許可の条件として事業者は、事業用自動車を営業所毎に 5 両以上配置しなければなりません。

ただし、霊きゅう運送、一般廃棄物運送、一般的に需要の少ないと認められる島しょ(ほかの地

域と橋梁による連絡が不可能なもの)の地域における事業については、5 両以上に限定、制約を

受けません。また、計画する事業用自動車にけん引車、被けん引車を含む場合には、けん引車と被けん引車を合わせて 1 両と計算します。

 

運転者は、顧客に最も近い営業マン

運転者は、顧客の商品、財産等を預かって、安全に輸送する使命を負う公共性の高い事業に従事しているため、常に安全・確実な輸送の遂行が求められています。運転者は、顧客に最も身近に接する最先端の営業マンですから、事業者は、採用にあたっては運転技術、運転資質、素質、人柄、接客態度等の優れている者を選び、採用後、社員としての適切な指導及び教育をしなくてはなりません。

 

トラックやトレーラなどの運転は、当然のことながら乗用車よりも技術が必要です。

その運転技術は、ドライバーとしても大切なことです。

しかしながら、その運転技術だけでなく、ドライバーとクライアント様との直接のやりとりといったことも、同じように大切です。

ドライバーの皆さんが安全に、笑顔で運行できるよう、運行管理者はしっかりと業務の設定を行いましょう。

 

引用参考:「運行管理業務と安全」マニュアル

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