エアサスペンションとは?その仕組みと特長

サスペンション

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エアサスペンションとは

前回のブログで、大型精密機器運搬の際の振動対策として、エアサスペンション搭載車での輸送が重要だとご説明いたしました。
今回は、そのエアサスペンションについて詳しく解説いたします。

エアサスペンションシステムは、その名の通り、圧縮した空気を利用したバネです。
通常の自動車では、金属製のコイルや板バネなどをサスペンションとして使用していますが、エアサスペンションではコンプレッサーで圧縮した空気の圧力を用います。
エアサスペンションは主に以下の部品で構成されています。
 
1. エアバッグ(エアスプリング)
エアサスペンションシステムの中心となるのが、トラックの車体と積荷の荷重を支える「エアバッグ」です。エアバッグは頑丈なゴム風船のようなもので、圧縮した空気を入れることで膨らみ、その量によってバネ定数(バネの強さ)を変えることができます。
 
2. コンプレッサー(エアポンプ)
コンプレッサーはエアサスペンションシステムに空気を送ります。車両の重量や路面状態に応じて、制御ユニットからの指示に従ってエアバッグに空気を送り込んだり、空気を抜いたりします。大型トラックでは通常、エンジンで駆動するエアコンプレッサーを用いますが、乗用車などでは専用の電動ポンプを搭載しています。
 
3. 制御ユニット
制御ユニットは、エアバッグに送り込む空気の量をコントロールします。これにより、常に最適な乗安定性を維持することができます。

 

コンプレッサー

 

エアサスペンションの歴史

エアサスペンションは、トラックや大型車両にとって比較的新しい技術ではありますが、その起源は1940年代の第二次世界大戦中に荒地を安定して走行するために開発された軍用車両だと言われています。
その後、大型バスの乗り心地改善や、バリアフリー化のため乗降時に車高を下げることができるエアサスペンション導入されました。
トラックでは数十年前より導入例はありますが、一般的に採用が進んだのは最近のことです。
 
軍事車両

エアサスペンションの特長

トラックのエアサスペンションは、荷物の重量に応じて車高を調整する機能を持っています。これにより、車両は常に最適な耐衝撃性と安定性を保つことができます。
また、金属のバネに比べて衝撃を吸収する能力が高く、道路の凹凸からくる衝撃を抑えて荷物を安定して運ぶことができます。
さらに、荷物の重量に関係なく車体の高さを一定に保つことが可能なため、車両の安定性を保つのに役立ちます。これは、特にカーブや急な坂道での運転安全性を向上させます。
 
サスペンション

エアサスペンションのデメリット

もちろん、エアサスペンションにはデメリットも存在します。
エアサスペンションシステムは、金属製のサスペンションに比べて価格が高くなります。金属バネは構造が単純で、歴史的にも長く使用されているため技術面でのコストも低くなっていますが、エアサスペンションは構造やシステムが複雑で、生産には専門的な技術を必要とするためです。

また、エアサスペンションは維持費の負担もあります。エアバッグ本体や、その他の電子部品は金属のサスペンションに比べると耐用距離や年数が短く、部品自体の価格や、交換・修理にも専門技術が必要とされるため、コストアップにつながります。

さらに、極端に過酷な環境下では、金属のサスペンションよりも信頼性が低いと言われています。空気漏れや電子的なトラブルを回避するため、条件に合った整備や点検が必要とされます。

これらのデメリットもありますが、それにも増してエアサスペンションの利点は多く、特に精密機器の運搬には欠くことのできない技術となっています。
 
計算する人

まとめ

しかし、いくら振動対策を施したところで、交通事故を起こしてしまっては意味がありません。
急加速、急ブレーキを避け、安全な運転を心がけることが、最も重要な振動対策ではないでしょうか。

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決め手は空気!?トラック輸送の振動対策

精密機器

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精密機器運搬と振動対策

トラック輸送に限らず、モノを運ぶ際には少なからず振動が発生します。
子どもの頃、コップに注いだ牛乳やジュースをこぼさないよう苦労してテーブルに運んだという経験を持たれる方も多いのではないでしょうか。
物流業界では振動対策としてさまざまな方法が採られています。
 
カップを持つ子供
 
 

商品を守る工夫

インターネットを使った通信販売は、今や当たり前のものになりました。毎日のように通販業者からの荷物が届くというご家庭も少なくないと思います。
そんな日常生活に欠くことのできない通信販売ですが、届いた段ボール箱が、購入した商品に比べて大きいと感じることはありませんでしょうか?
大きな箱にぽつんと商品が入れられているのを見ると、「過剰包装ではないか」と思ってしまうかもしれませんが、これには理由があります。
その理由のひとつが、輸送中の振動対策です。
さまざまな形状や重さの荷物をまとめて運ぶことが多い宅配便では、振動により箱がつぶれたり、それによって商品が傷ついたりする場合があるため、あえて空間を多く採った梱包を採用しています。

さらに、梱包材として空気で膨らませたエアークッションを使用することで、振動による衝撃から商品を保護します。場合によっては、専用のフィルムやテープなどを使用することもあります。
 
段ボール
 
 

大型精密機器の振動対策

では、大型精密機器を輸送する際の振動対策にはどのようなものがあるでしょうか。
まず、宅配便と同様、しっかりと梱包作業を行います。可動部分は固定したりクッション材を使用したりして保護します。
機器の用途によっては、クリーンルームで使用されるものがあります。その場合は、クリーンルームの基準に即した梱包が求められます。
特殊な作業ですのでノウハウが必要とされますが、機械の保護と微小粒子の排除を両立させて運搬することが求められます。
 
緩衝材
 
 

エアサスペンションで守る

大型精密機器の場合、機械自体を緩衝材で保護することには限界があるため、トラック側での振動対策が必要とされます。
他の自動車同様、トラックにはサスペンションが装着されています。通常は金属のバネを用いたサスペンションが使われていますが、精密機器運搬ではエアサスペンション装着車での輸送が理想的です。
エアサスペンションは加圧した空気をバネとして用いたサスペンションで、乗用車の場合は主に、大型のセダンなど乗り心地を重視した高級車に用いられています。

金属のサスペンションに対して、エアサスペンションは荷重に応じてバネの強さを変えることで変更できるため、より振動の少ない輸送が可能となります。

また、積載方法にも工夫が必要です。
一般的に、トラックでは前後の車軸の中間が最も揺れにくくなっているため、それに合わせて積載をすることが重要です。
ちなみに、バスも同様に車内中央付近の席が一番揺れにくいので、乗り物酔いをしやすい方はぜひご参考に。

その他、走行ルートの検討も重要な対策となります。
路面状況や交通量などを考慮しながら、輸送に適したルートを選ぶことで、より安全確実に積荷をお届けすることができます。
 
サスペンション
 
 

まとめ

しかし、いくら振動対策を施したところで、交通事故を起こしてしまっては意味がありません。
急加速、急ブレーキを避け、安全な運転を心がけることが、最も重要な振動対策ではないでしょうか。

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