月別アーカイブ: 2025年5月
【2024年問題】から1年:トラックドライバーの労働環境はどう変わったか?

はじめに
2024年4月に施行された「改善基準告示」の改正から1年が経ちました。
この法改正は、物流業界、特にトラックドライバーに大きな影響を及ぼす「2024年問題」として、長らく注目されてきたものです。
本記事では、この1年間でトラックドライバーの労働環境がどのように変化したのかを振り返るとともに、
現場の声や安全運行への新たな取り組みについてご紹介します。
改善基準告示とは?
2024年4月1日に改正された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」は、
トラック運転者の長時間労働を是正し、健康と安全を守るために制定されたものです。
改正内容の主なポイントは以下の通りです:
– 1日の拘束時間の上限:15時間以内(原則13時間)
– 1か月の拘束時間:原則284時間(従来より9時間短縮)
– 年間拘束時間の上限:原則3,300時間(従来より216時間減)
– 休息期間の確保:原則継続11時間以上与えるよう努めることとし、継続9時間を下回らないものとする。
– 連続運転時間の規制:連続運転は原則4時間を超えないものとし、合計30分以上の休憩を取ること
(ただし、SA/PA等に駐車または停車できないことによりやむを得ず超える場合には、30分前延長することができる)
これらの規制により、過酷な労働環境の改善が期待される一方で、輸送能力の減少や人手不足の深刻化といった課題も浮き彫りになっています。
ドライバーの声:働きやすくなった?それとも………
実際の現場では、ドライバーの間でも意見が分かれています。
▶︎ ポジティブな意見
「高速道路における大型車両の最高速度が90km/hに緩和された」
「連続運転においてやむを得ない理由がある場合30分延長可能となった」
▶︎ ネガティブな課題
「全体的に残業時間が減り、収入が下がった」
「人員不足で現場が回らず、逆にプレッシャーが増えた」
「荷待ち時間や渋滞によるタイムロスが多く、時間調整が難しい」
つまり、法改正自体はドライバーの健康と安全には貢献しているものの、業界全体としての対応・体制づくりが
まだ発展途上であることが分かります。
運送会社の工夫と取り組み
改善基準に対応するため、多くの運送会社がさまざまな取り組みを始めています。
1. 輸送ルートとスケジュールの見直し
拘束時間内で完結できる業務設計を行うため、前泊や作業後に現地付近で宿泊するなどの工夫をしています。
2. 中継輸送・共同配送の導入
一人のドライバーが長距離を運ぶのではなく、中継地点で交代する方式が採用され始めています。
3. 積載効率の向上
荷台スペースを無駄なく使い、少ない運行回数で多くの荷物を運ぶ工夫がなされています。
4. デジタル技術の活用
運行管理システムやGロガーなどの導入で、ドライバーの行動を「見える化」し、適切な勤務管理が行えるようになっています。
今後の課題と展望
改善基準告示は「働き方改革」の一環としての重要なステップですが、それだけでは業界全体の課題解決には至りません。
今後の鍵は以下の点にあります:
荷主との連携強化:積み降ろし時間の短縮、待機時間の削減
労働力の多様化:女性ドライバーや若年層ドライバーが働きやすい環境の構築
輸送インフラの整備:トラックステーションや中継拠点の整備
物流は、社会を支えるインフラです。
だからこそ、トラックドライバーが安全かつ健全に働ける環境づくりは、全ての関係者が協力すべき最優先課題です。
まとめ
「2024年問題」から1年、労働環境の改善に向けた第一歩は確実に踏み出されています。
とはいえ、持続可能な物流の実現には、さらなる工夫と協力が必要です。
岩瀬運輸機工は、これからも安全で質の高い輸送を追求し続けます。
↓↓ 岩瀬運輸機工について詳しくはこちら ↓↓
出典:
国土交通省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改正概要)
厚生労働省「働き方改革特設サイト」(2024年問題特集)
https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/
全日本トラック協会(全ト協)「2024年問題に関するアンケート調査結果」など
春の行楽シーズンに注意したい トラックとの安全な距離感 〜高速道路や一般道での安全運転・トラックへの配慮〜

はじめに
春の訪れとともに、全国各地で行楽シーズンが本格化します。
桜や新緑を求めて多くの人々が車で移動するこの季節、交通量の増加に伴い、高速道路や一般道では様々な車両が混在します。その中で特に注意したいのが、大型トラックとの“距離感”です。
今回は、一般ドライバーが意識すべきトラックとの安全な付き合い方について解説します。
トラックは「走る物流拠点」
まず前提として理解しておきたいのは、トラックは私たちの生活を支える重要なインフラであるということです。日本国内の貨物輸送の約9割以上はトラックが担っており、食料品や日用品、精密機器など、私たちの身の回りのほとんどがトラックによって運ばれています。
特に岩瀬運輸機工のような輸送会社では、精密機械や大型厨房機器、航空宇宙関連機器など、振動や衝撃に極めて敏感な荷物を扱っています。こうした荷物は、急ブレーキや急加速、横風による車体の揺れなどが原因で損傷することもあるため、トラックドライバーは非常に神経を使いながら運転しているのです。
トラックの特性を理解しよう
トラックは普通車と比較して圧倒的に車体が大きく、重量もあります。そのため、以下のような特徴があります:
・制動距離が長い
フル積載状態では制動距離が乗用車の約2倍になることも。急な割り込みは非常に危険です。
・死角が多い
特に後方・側面はミラーでも確認しにくく、「見えていない」と思った方が無難です。
・加速・減速に時間がかかる
上り坂や信号発進では加速が遅く、下り坂では車体が重いためスピードが出やすくなります。
これらを理解したうえで、安全な距離感を保つことが、事故防止につながります。
トラックとの安全な距離の取り方
▶︎ 前方を走るトラックには十分な車間距離を
高速道路では、最低でも速度と同程度(80km/hであれば80m程度)の車間距離を確保しましょう。追突防止だけでなく、前方の視界も確保できます。悪天候時や渋滞時はさらに余裕を持つことが大切です。
▶︎ 追い越し時は素早く、無理はしない
追い越す際は左からではなく、必ず右車線から、ウインカーで合図を出してスムーズに行いましょう。トラックの横を並走する時間は短く、できるだけ早く安全に追い越すのが鉄則です。
▶︎ 割り込みは絶対にNG
トラックは制動距離が長いため、目の前に急に割り込まれると対応が難しくなります。危険運転として重大事故につながる可能性もあります。
▶︎ 後続車としての意識も重要
トラックのすぐ後ろを走ると、前方の状況が見えづらく、急ブレーキに対応できません。十分な距離を取り、できればトラックの先の視界を確保できる位置をキープすることで、安全マージンを確保できます。
混雑時のマナーと心構え
春は一般ドライバーだけでなく、観光バスやレンタカー、運転に不慣れなドライバーも多くなり、事故のリスクが高まります。さらに、トラックは目的地や時間に追われることも多く、効率的な走行が求められています。
そんな中で求められるのは「譲り合い」の精神です。例えば、合流ポイントでは速度調整でスペースを作ったり、渋滞中には急な車線変更を控えたりするだけでも、事故やストレスを減らすことができます。
まとめ
春の行楽シーズンは、ドライブの楽しさとともに、思わぬリスクも増える時期です。特にトラックとの“距離感”は、安全運転の要とも言える重要なポイントです。
大型車両は、目立つ存在であると同時に、見えない努力と責任を背負って走っています。一般ドライバーがその特性を理解し、思いやりのある運転を心がけることで、道路全体の安全性が向上します。
この春も、楽しいドライブとともに、安全第一で過ごしましょう。
↓↓ 岩瀬運輸機工について詳しくはこちら ↓↓
運行管理者(貨物)試験結果発表!
試験結果発表!-672x372.png)
岩瀬運輸機工では、運行管理者(貨物)資格試験に向けた社内勉強会を定期的に実施しており、
今回の試験結果が発表されました。
試験結果発表!
弊社では14名が受験し、そのうち8名が合格という素晴らしい成果を上げました。
一般の合格率が34.1%である中、弊社は57.1%という高い合格率を記録し、非常に優秀な結果となりました。
この成果は、社員一人ひとりの努力と、社内勉強会が大きな役割を果たした結果だと言えるでしょう。
社内勉強会の取り組み
今回の試験合格者の高い合格率を支えたのは、定期的に開催されている社内勉強会です。
勉強会では、運行管理者資格試験の内容や重要ポイントについて、過去に試験に合格した社員が講師
となり、実践的なアドバイスを行いました。
この取り組みが、試験合格のためのしっかりとした土台を作り、多くの社員が自信を持って試験に臨むことができた要因です。
合格者への報奨とさらなる成長
試験合格者には、社長からのギフト券授与という形で、成果に対する労いが贈られました。
これにより、社員一人ひとりの努力が認められ、今後のモチベーション向上にも繋がることでしょう。
今後も、こうした取り組みを続け、より多くの社員が運行管理者資格を取得できるよう、
引き続きサポートしていきます!

展望と今後の取り組み
運行管理者資格の取得は、従業員個々のキャリアアップに加え、会社全体の運行管理能力の向上に
直結する重要なステップです。
今後も社内での勉強会やフォローアップを強化し、さらに多くの合格者を輩出していきたいと考えています。
社内勉強会の成果を活かし、さらに多くの社員が試験に合格し、全員が一丸となって運行管理者資格の取得を目指すことで、今後のさらなる成長と発展を実現していく所存です。